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2025-07-27 00:13:00

質問する技術④。知識をひけらかすのではなく、相手の成長のためにどう「渡す」か

「質問が出ない」そのとき——これでいいのだろうか?

知識をひけらかすのではなく、相手の成長のためにどう「渡す」か。

これは、僕が今もずっと試行錯誤している部分です。

指導していて、ふと立ち止まる瞬間があります。

「質問が出てこない」のです。

ここまで読んでくださった方の中には、
「小嶋先生の指導なら、みんな納得してて質問なんて出ないんじゃないですか?」
モット褒めてもいいよ
そんなふうに言ってくださる方もいるかもしれません。

実際にやってみて、体で実感してもらう稽古を大切にしています。
そこには、理論や理屈もありますし、経験からくる現実も深く込められている自負もあります。


生徒たちが「先生の言う通りにすれば間違いない」と信頼してくれていることも感じています。

それは、指導者として本当に光栄なことです。

でも、それでも僕の心の中にはいつも、
「コレで・・いいのかなぁ~?」という問いが横たわっているんです。

★なぜ、質問が出ないのか?

僕は基本的に、高校生以上には「一つ教えたら、黙って見ている」スタイルでいます。
質問が出てきたら、その先を教えよう。そう思っているのですが……。
我慢できずにくちだしするけどね。

サンドバッグを打つ手は止まらない。
それぞれ真剣に稽古に向かっている。
それはとても誇りに思えます。

でも、質問がない。

不思議でならないんです。
僕はいつも稽古中に、疑問が次々に浮かんできた人間でした。

彼らは——

  • 僕に聞いても仕方ないと思っているのか?

  • 実はしっかり理解して、黙って吸収しているのか?

  • 僕の指導が「説明の理解が、しにくい」から、逆に言葉にできないのか?

たまに、万人受けする言い方をすべきか……と考えることもあります。
それっぽく、素晴らしい系の言葉並べたくる。がいいのかな。

でも、世間で「もっともらしく」語られていることが、
すべての人にとって本当に役に立つかというと、そうでもない。

すごい人の話が、普通の人に役立つとは限らない。

でも、有名な選手等が言うと鵜呑みにしている子もいる。


「きみはタイプ違うと思うが・・・。」
有名選手は、さすがトップなだけ有る。才能があるのです。
きみは普通。
きみに向いているスタイルから作り込んで、トップに喰らいつこうよ。

 

それともボクがきみの才能に追いついていないのか・・・、。

質問が出ない理由——僕が考える3つのパターン

  1. 完全に理解し、納得している。
     これは、理想的な状態です。

  2. 理解しているけれど、「問いを立てる力」がまだ育っていない。
     もっと深掘りできる問いに、気づけていないだけかもしれない。

  3. 実は理解しきれていない。でも、「こんなこと聞いていいのかな」と遠慮している。
     理解できない自分を、どこかで「申し訳ない」と感じているのかもしれない。

2番目と3番目の可能性を考えると、
僕の中でまた、「これで本当にいいのだろうか?」という問いが頭をもたげてくるんです。

質問されて、すぐに言葉に出来ないけれど、頭の中のイメージは出来てます。言葉として表現するのが難しいのです。そして今、やって見せることが出来ない現実があります。
許してくれ。



★僕が目指している指導

僕は、ただ技を教えたいわけではありません。

生徒たちが、自分で課題を見つけ、自分で答えを探し、自分で成長していけるようになってほしい。

だからこそ、僕の指導は「答えを教える場」であると同時に、
「問いを見つける手助けをする場」でなければならないと思っています。

【難しいですね。】

生徒が「これだ!」と納得できるほど、質の高い指導を追い求めながら、
同時に彼らが「なぜ?」「もし○○だったら?」と自ら問いを立てるような場もつくっていきたい。

「質問が出ない」ことに満足せず、
その奥にある可能性を、僕はもっと引き出したいんです。


★僕には先生がいませんでした

かっこつけて言うなら、**「我以外、皆我師」**です。


僕が格闘技を始めたころ、練習する場所も、人も、圧倒的に少なかった。
キックボクシングのジムなんて、今のようにありませんでした。


聞きたいことは山ほどあるのに、聞く相手がいない。

練習相手もいない。
たまに弟がミットを持ってくれるだけ。

だから僕は、ひたすら「試す」しかなかった。
考えて、仮説を立てて、試合の3分で確かめる。


あーでもない、こーでもない。
無駄が多すぎるかもしれない。
でも、やってみないとわからない。


そんな試行錯誤の連続でした。

誰かに聞きたくても、
ようやく聞けたときには、相手の答えがマチマチ。
時には、偉そうで上から目線で返されてしまったこともあります。

聞きたいのは、そんなことではない・・・。

……いや、僕が素直じゃなかっただけかもしれません(笑)。

★今、僕がやるべきこと

だからこそ今、僕が目指すのは、
「答えを与える」よりも、「問いを引き出す」指導。

質問が出ないときこそ、自分の指導を振り返る。
生徒が“自分から聞きたくなる”空気を、もっと意図的につくる。

それが、僕がこれからも挑み続けるテーマです。


ヤル、マカシとけ。

今日の練習で、誰かがぽつりと質問してくれるかもしれない。

その一言が、全体の成長につながるかもしれない。

その種をまくのが、僕の仕事。

問いの芽を育てる場所をつくるのが、指導者だと思っています。


と、思っていますが。
むずかしい・・・。


質問まつより、ドンドン、指導したほうが早い・・・。
これがイケないのか。

まつのも技術が必要ですね。